椿日記
-チェコにて-まだ性懲りもなくプラハにいます。

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「山だ。黒一色の山だ---。」


「マークスの山」(著:高村薫 講談社文庫)
を読んだ。
高村薫は、数少ない好きな作家だ。
決して読みやすくはないけれども、とても綺麗な文章を丁寧に書いているように思う。
文庫と単行本で書き直すことが多く、自分の作品を読み返し、上を目指すことに対して抵抗を持っていない作者。
それ故、単行本が出版されることが遅い。
作者独特のまとわりつくような文章で人物描写がされ、それが人によっては「だらだらしている」と不快に思う人もいるようだ。
爽快なものを期待する人には向かない読み物だ。
クライマックスに向けて緊張感や人々の想いが凝縮されていく瞬間を描くのが上手い。
高村薫のものを読んでいるときに思う言葉は「荘厳」。
読んでいて景色が浮かぶ。
全作品に共通するのは、ことばにすることの難しい異物感。

「マークスの山」は多分、警察小説というジャンルにあてはまる。
たたき上げの出世をしてきた本庁・捜査一課所属:合田雄一郎が主人公のシリーズものだ。
(もっとも次の作品では飛ばされたりしているけれども...)
精神障害者マークスの起こす事件を軸に、警察内部や検察・政治の微妙な関係を描いている。
泥臭い人間の思惑は、私のような懐疑的で狡猾な人間にとってリアルに思えます。
単行本よりもマークスの病気が進んだように思え、今、読むと昔のマークスはまるでチンピラ…。
マークスが何故人を殺すのか。
行動している人間自身よくわからない。タカがはずれた人間の暴発。
そんな漠然としたものを描くのが上手い。
「犯人は何故、殺人を犯したのか?」「何故このように行動したのか?」
ハッキリとした理由づけが好きな人はイライラするだろう。
続作品の「照柿」で、殺された理由を「暑くて眠くてイライラしていた結果の殺人」と私は判断している。。

読んでいて浮かぶ景色というのは、
「マークスの山」では、勿論、山、そして汗。
その場その場で感じるというようなものではなく、
マークス:水沢が感じているように読んでいる間中ずっと重苦しい「山」が頭に浮かぶ。
…以前読んだときに実際に「北岳」が見たくなったのだが、
北岳は初心者が安易に登れる山ではないこと、周りに観光地が何もなくそのためだけに行くようなものだ、ということを知った...。

先日TSUTAYAで「マークスの山」の映画を借りてこようとしたのに、いざ行ったら忘れてしまった。
…水沢じゃないんだから…自分がんばれ。
今度「レディ・ジョーカー」の映画化するようだ。
石原軍団は好きではなくて、むしろ...。

私が一番好きな高村作品は「リヴェエラを撃て」。
ご一読を。

【2004/08/04 23:12】 | TRACKBACK(0) | COMMENT(0)
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